Ai-Glies お役立ち情報 Part3
前編で脱炭素社会の概略についてお伝えさせていただきました。
後編では「脱炭素社会」への取り組みについてお伝え致します。
なぜ「脱炭素社会」に取り組まなくてはいけないのか
近年の「脱炭素社会」への関心の背景には、下記2つがあげられます。
① 深刻化する地球温暖化への対策
② 企業の新たな成長の機会
①深刻化する地球温暖化への対策
1997年のCOP3で採択された京都議定書で先進国間で温室効果ガスの削減数値目標が合意され、2015年には前項のCOP21で、パリ協定が合意されました。
これらは、主に温室効果ガスによる地球気温の上昇に伴う気候変動に対する対策を目的としています。
パリ協定では、「産業革命以降の平均気温上昇を2℃未満に抑制する。」とされておりますが、この「2℃目標」が、異常気象や海水面の上昇・水、食料不足といった気候変動のリスクを回避できる目標となります。
「2℃目標」を達成する為には、温室効果ガスの排出削減を行うことが重要になっており、脱炭素の取り組みが必要不可欠です。
これらのように私達の生活を守る為に、気温上昇を抑えることが必要となり、その為の手段として脱炭素への取り組みが必要になります。
②経済の新たな成長の機会
上記のような地球温暖化への対応を、成長の足かせやコストとする考えではなく、
国際的にも、成長の機会ととらえる機運が高まっております。
各国が2050年までのカーボンニュートラル実現目標の中で、大規模投資が行われ、企業の生産性向上と投資家の投資を促しております。
前項のESG投資では、グローバルで3,000兆円に及ぶとされ、市場で大きな存在になっています。
国内では
経済産業省は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定し、企業の脱炭素の支援をしております。
また、環境省・経済産業省連携で、炭素に価格をつける下記のような、カーボンプライシングの取り組みが企画・計画されております。
温室効果ガス削減目標に対し、削減努力をする中で、削減が困難な排出量については、他の機関が削減実現したクレジットの購入、他の場所での削減活動により、埋め合わせを行うカーボン・オフセットの考え方もあります。
そのような動きの中で、温室効果ガス削減し、削減量を売買することで、利益を得ている事業者も出てきております。
【炭素税】
• CO2の排出に対して、その量に比例した課税を行うことで、炭素に価格を付ける仕組み(計画段階)
【国内排出量取引】
• 企業ごとに排出量の上限を決め、上限を超過する企業と下回る企業との間で「排出量」を売買する仕組み
【クレジット取引】
• CO2削減価値を証書化し、取引を行うもの。
日本政府では非化石化価値取引、Jクレジット制度、JCM(二国間クレジット制度)等が運用されている。
他にも、「国際機関による市場メカニズム」「インターナル・カーボンプライシング」があります。
参考: 環境省 カーボンプライシング
このように、脱炭素への取り組みは保守的な意味合いのものではなく、企業の成長を促す取り組みにもなっています。
こうした脱炭素は大企業が注目されることが確かに多いですが、大企業と取引している中小企業も、脱炭素を求められており、各企業の脱炭素への取り組みが新たなビジネスへ繋がっております。
企業は、脱炭素社会へ何をするべきなのか。
前編・後編含めて、ここまで世の中の「脱炭素社会」についてお伝えさせていただきましたが、ここからは、企業が具体的にどのように「脱炭素社会」へ取り組んていけばよいのかをご紹介させていただきます。
環境省によりますと、温室効果ガスの大幅削減の方向性として以下の3点を挙げています。
①可能な限り、エネルギー消費量を削減する(省エネを進める)
例) 高効率の照明・空調・熱源機器の利用等
②エネルギーの低炭素化を進める
例) 太陽光・風力・バイオマス等の再エネ発電設備の利用等
③電化を促進する(熱より電力の方が低炭素化しやすいため)
例) 電気自動車の利用、暖房・給湯のヒートポンプ利用等
参考:環境省,『温室効果ガス削減中長期ビジョン検討会 とりまとめ』,2015年
さらに、環境省は、これらの検討手順として下記4STEPをご紹介しています。
『上記③に該当』電化を促進する
『上記①に該当』エネルギー消費量を削減する
『上記②に該当』エネルギーの低炭素化
(1)想定温室効果ガス削減量 (2)想定投資金額 (3)想定光熱費・燃料費増減
参考:環境省,『中小規模事業者のための 脱炭素経営ハンドブック -温室効果ガス削減目標を達成するために』,2021年
環境省のご紹介を抜粋してのお伝えにはなってしまいますが、上記のようなフローで企業様における脱炭素社会への取り組みの参考になれば幸いです。
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